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Utsuke Bron

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金融化した広告とその未来

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様々なキートピックスが話されている中で、IoT、メッセージング、ドローン、Fintechなどが広告のイベントの中でキーワードとして出てきました。

一見すると全て異なるパラダイムに見えますが、個人的にこれら一連のキーワードは全て繋がっていくものだと考えています。

今回は金融化される広告と新しい資源となるデータのお話しを書いておきたいと思います。

 

今回の内容

AtomとBitに2分され始めた世界

・世界がデジタル化すると何が起きるのか?

・デジタル世界での広告の進化

・未来を提示する広告テクノロジー注目の2社

・デジタル世界で起きる進化は、〇〇化→〇〇化→〇〇化

・Iot、ドローン、Fintechと広告のBig picture

 

対象読者

今回の内容は、下記のような読者で、かつまあスドケンの話だったら聞いてみてもいいかなと思っていただける方々を対象としております。

・大企業ならびにスタートアップで広告ビジネスに携わる方々

・IotやFintechなど周辺領域から広告でのマネタイズを考えている方々

・新規事業を考える方々

・投資家

ランチをご馳走して、面白い話を聞いたなと思っていただけるくらいの内容を想像いただければ幸いです。

それでは、早速はじめていきたいと思います。

 

AtomとBitに2分され始めた世界

まず、現在のIoTやFinTechなどの一連のブームを構造的に捉えていく上で、広告がデジタルの世界で大きな進化を遂げてきたことを背景として理解しておく必要があります。

そうしてこの進化は、広告業界特有の事象ではなく、デジタルが世界を飲み込んでいくという大きな潮流の中で起きている事象だと私自身は捉えています。

 

世界がデジタル化すると何が起きるのか?

インターネットという広大なデジタルの世界が広がる中で、

Atom(原子)から成り立つ現実のフィジカルな世界と、

Bit(データ)から成り立つデジタルデータの世界に大きく分断されてきています。

 

このBitの世界は、Atomと全く異なるルールで物事が動きます。

距離、時間、重力、引力、摩擦などの物理的な制約を受けません。

 

そのため、 Bitの世界にデータが流れ込んでいくと、最初に、物理制約を受けない取引コストの安さからトランザクション量が増えます。

まず、流通量が増えるのです。当然、ECのように在庫・物流などAtomの世界の制約を受けるものもありますが、その取引コストの安さから現実の世界では、諦めていたような消費が顕在化します。

無消費を掘り起こすくらい取引コストが下がることで、現実世界では起き得なかった市場が広がっていくのです。

例えば、携帯電話の請求書と一緒に銀行口座から引き落としされるようになると、絵文字、着メロ、ゲーム、動画、など様々なコンテンツが大量に流通されるようになりました。

これらは、個別に決済したり、店舗でやり取りしてるだけではここまで巨大な市場にはならなかったと思います。

それくらい取引コストが下がるということには、大きなインパクトがあります。

 

データそのものがやり取りされる

その次に、ものすごいスピードでデータがまた、新しいデータを生み出し、そのデータ同士がやり取りをされていきます。

例えば、先ほどの例で言えば、ゲーム内のコインやアイテムや攻略情報をやり取りしたりするのは、一次的に生成されたコンテンツデータを基にしたやり取りだけではなく、二次的、三次的に生成された価値をやり取りしていることになります。

最初は、単純なルールに基づいて、進化すると複雑なアルゴリズムでそれぞれのデータがデータを相互に補完し、やり取りしながら新しいデータや新しい価値を生み出していくことになります。

 

デジタル世界での広告の進化

そんな中で、広告もデジタルの世界で大きな進化を遂げてきました。

広告が進化したのは、大きく分けて在庫管理・売買取引・配信方法・効果測定の4つの観点です。

 

 

1:在庫管理の進化

広告の在庫管理は、このように進化をしはじめました。

最初は、単純な枠管理から始まり、1 impごとの在庫を管理し、収益を最大化するための進化を遂げていきます。

 

2: 売買取引の進化

次に、広告そのものの買い方、売り方が在庫管理とセットで進化を始めます。

最初は、一定期間の場所を枠で切って、それを販売し切るという形に始まり、需要を掘り起こし、取引拡大していくための様々な販売手法が発明されました。

 

こうして俯瞰して見ていただくと、粒度が細かく要求が複雑な取引を徐々に実現して行っていることがわかります。

これも物理法則を無視して構築できるという利点を生かしています。

 

3:配信方法の進化

次に配信方法も進化していきます。

最初は、単純に全員に見せていたものをある特定のユーザーにだけターゲットを絞って配信するという進化が生まれます。

その特定ユーザーのセグメントを複雑に管理したいというニーズから、セグメントデータの交換という新しい市場が立ち上がるまでになっていきます。

 

4:効果分析の進化

最初は、シンプルなレポートだったものが、広告主のビジネスモデルと複雑な要求に合わせながら、より高度な期待に応えるものになってきています。

そして、この効果分析の進化が次の在庫管理や売買取引の進化を促しました。

 

以上が、広告がデジタル化する過程で起きてきた進化です。