広い北海道の中でも、とりわけ寒い陸別町(りくべつちょう)。
日本一寒い町を“ウリ“にしているだけあって、町の公式ホームページのトップには、「今期の最低気温」が表示されています。そんな陸別町は長いこと、「日本一寒いまち」として知られていましたが、はたして本当に日本一なのか…。そんな疑問を払拭するべく、このほど、過去のデータを分析した結果を論文にまとめたものが学会誌に掲載され、本当に日本一寒いまちであることが実証されました。
- 出版社/メーカー: 石屋製菓
- メディア: その他
- クリック: 3回
- この商品を含むブログ (12件) を見る
今期の最低気温は-28.7℃!! 「盆地冷却現象」で冷気がたまる。論文を発表して実証。
盆地の中に冷気がたまるのか…
そんな陸別町の今期最低気温は-28.7℃(1月27日現在)。昔から、北海道の中で最も「寒い」とされていましたが、このほど、過去10年の観測データを分析し、日本気象学会の学術誌「天気」2016年11月(vol.63)に掲載され、本当に「日本一寒い」ということが実証されました。
論文のタイトルは、「日本一寒い町、北海道陸別-気象庁による2007年から2016年までの10年間の観測データに基づく-」。4人の専門家が執筆に関わりました。分析には、過去10年間の1~2月の平均気温や、最低気温の平均などが使われ、その結果、期間中の1日の平均気温が-10.5℃で全国1位になるなど、数値化すると、陸別町の寒さがあらためて裏づけられました。
執筆者の1人は、陸別町が冷え込む要因として、盆地状になっている低い地域は、周辺からの冷気がたまる「盆地冷却現象」が影響していると説明しています。
陸別町は昭和62年度に「星空の街」に選ばれ、さらに平成9年度には「星空にやさしい街10選」にも認定されました。このように、星がきれいな陸別町には 「銀河の森天文台」(りくべつ宇宙地域科学館) があります。
一般公開されている天文台としては、日本最大級の115cm反射望遠鏡があり、その時期に見える惑星や月、星雲や星団、銀河などを見ることができます。また、晴れていれば昼間でも明るい恒星を見ることもできます。1階には展示室、2階には望遠鏡ドームや観測室などがあるほか、国立環境研究所の観測室なども併設されていて、大気やオーロラなどの研究も行っています。
2月1日からは、カナダで出現するオーロラを生中継するイベントが開催されます。
●「オーロラウィーク2017 カナダイエローナイフからのオーロラ生中継」
●2月1日(水)~12日(日)
●中継時間:午後2時~8時(1回約15分)
●参加料:無料(入館料のみ)
●問い合わせ0156-27-8110
※カナダのイエローナイフはオーロラベルトの真下に位置しているため、一年中オーロラの出現率が高いのですが、現地との時差が-16時間あります。日本が午後2時のとき、現地時刻午後10時の映像を見ることができます。
〈参考サイト:銀河の森天文台〉