地震などの災害は、いつどこで発生するか分かりません。もうすぐゴールデンウィークに入りますが、万が一、旅先で災害に遭ってしまったら、どんな備えが必要になるでしょうか。身を守るためのポイントをまとめました。
日本で想定される大規模地震 東日本大震災を超える甚大な被害想定
ゴールデンウィークですが、地震の発生が多い日本では、いつどこで地震に遭うか分かりません。
近い将来、大きな地震が発生する可能性が高い活断層が複数指摘されていて、中でも、関東から九州の広い範囲で強い揺れと高い津波が発生するとされる南海トラフ地震と、首都中枢機能への影響が指摘される首都直下地震は「今後30年以内に発生する確率が70%」と高い数字で予想されています。
南海トラフ巨大地震・首都直下地震について、いずれの地震とも、東日本大震災を超える甚大な被害が想定されています。
例えば、首都直下地震では、都心南部を震源とするマグニチュード7.3の地震が、冬の夕方に起こった場合、最大で約2万3,000人の方が亡くなり、住宅全壊戸数は最大で約61万棟に上ると考えられています。住宅全壊戸数に関しては、東日本大震災の約5倍という被害想定です。(※平成25年12月時点)
また、大規模な地震が発生する可能性が高いといわれている地域だけでなく、どこで、いつ大きな地震が起きてもおかしくありません。
平成28年4月に発生した熊本地震を引き起こした布田川断層帯のM7.0級の地震発生確率は「30年以内に1%未満」でした。
まだ見つかっていない活断層もあるとされているため、どこにいても備えが必要です。
車の中での地震に遭ったら
身を守るためには、どう行動すればよいのか、頭の中でシミュレーションしておくことが防災の第一歩です。どんな場所で地震に遭うかによっても対応が異なってきます。シチュエーションごとに大事なポイントをまとめました。
〇車
車を運転中に大地震が発生したら、まずは、ハザードランプを点灯して、ゆっくり道路の左側に車を停めます。
ラジオなどで情報収集して、火災や津波などのおそれがあるなど、危険な状況になった際には、「車を置いて避難」する必要があります。「避難する時、鍵はつけたまま」にしてください。これは、救急車や警察などが通る際に、車を動かすことがあるためです。避難時には、車検証を持ち出すようにすると良いでしょう。
車は渋滞すると身動きがとれなくなるため、津波の避難は基本的に車を使わないようにすることが大事ですが、自力で避難できない人がいる場合や、渋滞の恐れがない地域では、状況に応じて車で避難するなどの判断をしましょう。
津波は海だけでなく川でも発生
〇海
海の近くにいる場合、大地震の発生から、早ければ数分で津波が襲います。揺れがおさまったらすぐに、高い場所を目指して避難してください。
一刻も早く安全な場所に避難するためには、「事前に避難場所を確認」しておく必要があります。海沿いには「津波避難場所」と「津波避難ビル」という標識が、見やすい場所に掲げられていますので、必ず確認しておきましょう。津波避難は、距離より高さです。遠くへ行くより高い場所を目指すようにしてください。
〇川
海だけでなく「川でも津波発生」に注意が必要です。東日本大震災では、津波によって川が逆流する「河川津波」が発生し、河口から12km付近まで甚大な被害がおよびました。
川にいる際に、大地震に遭ったら、川から充分な距離のとれる高い場所へ逃げてください。
中流付近になると、影響は小さくなりますが、大雨の後で水位が高い時などは、土石流やダム決壊などの災害も考えられるため、注意が必要です。余震などに気を付けて早めに下山するようにしてください。
避難の合図となる「津波フラッグ」
なお、津波に関しては、令和2年夏から海水浴場等で、「津波フラッグ」により津波警報等が発表されたことをお知らせする取り組みが始まりました。
「津波フラッグ」とは大津波警報、津波警報、津波注意報(以下、「津波警報等」という)が発表されたことをお知らせする旗です。長方形を四分割した、赤と白の格子模様のデザインで、縦横の長さや比率に決まりはありませんが、遠くからの視認性を考慮して、短辺100cm以上が推奨されます。
津波警報等は、テレビやラジオ、携帯電話、サイレン、鐘等、様々な手段で伝達されますが、令和2年6月から海水浴場等で「津波フラッグ」による視覚的伝達が行われています。「津波フラッグ」を用いることで、聴覚に障害をお持ちの方や、波音や風で音が聞き取りにくい遊泳中の方などにも津波警報等の発表をお知らせできます。海水浴場や海岸付近で津波フラッグを見かけたら、速やかに避難を開始してください。
「頭を守る」「エレベーターは全階停止」
〇街中
「建物から離れること」が重要です。高い建物に囲まれるような場所も多くあると思いますが、様々なものが凶器となります。
ガラスは固まって落ちてくるため、できる限りガラスのそばには近寄らないようにしましょう。
強い揺れが来たら、持っているバッグなどで「落下物から頭を守る」ようにしてください。「背の高いブロック塀」は落下する危険がありますので、離れて広いスペースに移動しましょう。
〇エレベーター
エレベーターに乗っている際に、地震を感じたら、「直ちにすべての階のボタンを押す」ようにしてください。全ての階のボタンを押すことで、安全に止まれる階に止まります。扉が開いたらエレベーターから出てください。
閉じ込められてしまった際に、無理やりドアや天井を開けるのは、非常に危険なため絶対にせず、外部と連絡をとりインターホンで外部と連絡をとり、助けを求めてください。
いざという時に、咄嗟に安全な避難行動をとることが重要です。
外出時には、地域の避難場所なども確認する癖をつけて、どこにいても、身を守る行動がとれるようにしていきましょう。
|
https://www.wowapp.com/w/kaoru.ikeda/