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Utsuke Bron

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平安文学 探訪

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冬が本格的になるにつれ、空気が澄み、晴れた日は月が一層美しく感じられます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

枕草子に見られる冬の夜

 

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平安貴族が接した折々の自然美を典型的に描いて見せたと言えば、枕草子がまず注目されます。初段での「春は曙……」で始まる、四季それぞれで最も心惹かれる時刻と事柄の記述は有名ですが、冬については、「冬はつとめて」と、まず早朝こそを第一としています。夜についても魅力なしとしたわけではなく、「忍びたる所ありては」の段で触れられています。

〈冬の夜、いみじう寒きに、埋もれ臥して聞くに、鐘の音の、ただ物の底なるやうに聞こゆる、いとをかし。〉

冬の夜に、あまりの寒さで夜具に埋もれて寝ているところに、寺の鐘の音が低音でずーんと響いてくることが面白いと言っています。しかし、その後は、

〈鳥の声も、はじめは羽の内に鳴くが、……明くるままに、近く聞こゆるもをかし〉

と、明け方の鶏の声への関心に続いてゆき、結局その時々の魅力を語って、夜だけを特別視しているのではないとわかります。それは、むしろ自然なことで、これからご紹介する源氏物語以下が特殊のようにも思えます。

 

 

 

 

パタゴニア

 

 

 

 

 

源氏物語に見られる冬の夜

 

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源氏物語には、数カ所で冬の夜に関わる記述が見られます。
まず須磨の巻です。都での立場を失った主人公の光源氏は、都から遠い須磨で侘び住まいをしながら冬を迎えます。

〈冬になりて、雪降り荒れたるころ、空の気色も、ことに凄くながめ給ひて、琴を弾きすさび給ひて、…〉

と始まり、源氏は漢代に北方の匈奴に嫁した王昭君や、右大臣で讒言を受けて太宰府に左遷された菅原道真を我が身に重ねて憂えます。その情景は、

〈月、いと明かうさし入りて、はかなき、旅のおまし所は、奥まで隈なし。床の上に、夜深き空も見ゆ。入り方の月かげ、すごく見ゆるに、……まどろまれぬ暁の空に、千鳥いとあはれに鳴く。〉

と、冬の冷たい月の光が、がらんとした部屋の奥まで射し込む中で眠られずに明け方近くまで過ごし、

〈いづかたの雲路に我も迷ひなむ 月の見るらむことも恥づかし〉

〈友千鳥もろ声に鳴く暁は ひとり寝ざめの床もたのもし〉

の二首の和歌を詠みます。
一首目は寄る辺ない我が身を彼方から照らす月の前に恥じ、二首目では二羽の千鳥の声に力づけられ孤独を慰めます。
物語は、その後、明石入道の登場と、その姫・明石君との出会いへと進みますが、この冬の夜の極限的とも言える状況が、源氏が再び都に戻って活躍する再生へのきっかけとなっているようにも見えます。

冬の夜の価値について源氏自身が確信して語る場面が、朝顔の巻の次の記述です。

〈時々につけても、人の心を移すめる花・紅葉の盛りよりも、冬の夜の澄める月に雪の光あひたる空こそ、あやしう色なきものの、身にしみて、この世のほかの事まで思ひ流され、面白さもあはれさも残らぬ折なれ。すさまじきためしに言ひおきけむ人の心浅さよ〉

梅や桜の花咲く春や色鮮やかな紅葉の秋より、冬の夜に澄んだ月の光に雪が煌めく空は白く透明なだけだが身に染みこみ、時を越えた世界まで思わせられ、心を深く揺するほどの感動があると言うのです。同時に冬の夜に価値を認めない人たちを浅薄な見方だと批判もしています。

源氏のこの思いは、若菜下の巻にも示されています。

〈冬の夜の月は、人に違ひて賞(め)で給ふ御心なれば、面白き夜の雪の光に、折に合ひたる手ども、弾きたまひつつ……〉

冬の夜の月明かりで雪が照らされる中、源氏が琴を弾く場面ですが、一般とは異なる価値観だとことわっています。光源氏のこの主張は、当時としては新たな美への価値観とも言え、前編でご紹介した紀貫之の和歌が評価されて拾遺集に入れられたことも、同じ頃だから可能になったのだろうと思われます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

冬の夜を称える新たな価値観

 

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