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春の訪れ探訪

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冬から春へ。雪景色が続く日々が徐々に去り、動植物が様々に命の芽吹きを見せ始め、新たな季節の到来が感じられるようになります。そうした地上に先立つように、空から春の訪れを告げる霞に注目して、平安時代前後の和歌を見ていきましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

古事記万葉集での霞

 

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霞は、『古事記』に「秋山之下氷壮夫(あきやまのしたびおとこ)」との対で「春山之霞壮夫(はるやまのかすみおとこ)」という神として登場し春の象徴とされますが、『万葉集』では夏や秋の霞も詠まれています。

〈朝霞 棚引く野辺に 足ひきの 山ほととぎす いつか来鳴かむ〉

〈秋の田の 穂の上に霧(き)らふ 朝霞 何時(いつ)への方に 我が恋やまむ〉

一首目は、朝霞がたなびいている野辺に山時鳥(ほととぎす)はいつ来て鳴くのか、との内容で夏の歌。二首目は、秋の田の稲穂の上に立ち込めた朝霞が晴れないように、いつになったら私の恋のもやもやとした思いは終えるのか、という秋の歌です。
とは言っても、霞の多くは春で、春の到来を示すものとして詠まれた歌もあります。

〈久方の 天の香具山 この夕べ 霞たなびく 春立つらしも〉

この歌では、天の香具山の夕景を霞が覆い、立春を感じています。
春の到来は、時代にかかわらず歓迎されるものですが、古代でも鋭敏な感性を示す歌人大伴家持です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大伴家持が詠む春と霞

 

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大伴家持は、天平勝宝五年(753)の二月下旬に、

〈春日遅々、鶬鶊(そうこう)正に啼く。悽惆(せいちゅう)の意、歌に非(あら)ずして撥(はら)ひ難きのみ。仍(よ)りてこの歌を作り、式(もち)て締緒(ていしょ)を展(の)べたり。〉

と記す三首の歌を詠んでいて、それらは家持の絶唱とされています。「鶬鶊」は鶯ともヒバリとも言われます。「悽惆」とは何かしらの失意、「締緒」はもつれ結ばれた心です。ゆったりとした春の日に鶯(ヒバリ)が合うように鳴くが、自分の心は重く、それは歌でなくては払いのけられない。それで歌を作って凝り固まった心をほぐしたのだ、といった内容です。その中の二首を挙げます。

〈春の野に 霞たなびき うら悲し この夕影に 鶯鳴くも〉

〈うらうらに 照れる春日に ひばり上がり こころ悲しも ひとりし思へば〉

二首が描くのは、霞がかかった春の夕日の下で鶯が鳴く、あるいは明るい春の日射しの中でヒバリが空に舞い上がる情景です。どちらも春ののどかな情景ですが、それと裏腹とも言えるのが「悲し」という作者の思いです。
とは言え、家持はこの春の情景を嫌っているということではなさそうです。そう思われる理由として、次の歌があげられます。

〈月よめば いまだ冬なり しかすがに 霞たなびく 春立ちぬかと〉

〈ひばり上がる 春へとさやに なりぬれば 都も見えず 霞たなびく〉

一首目は、暦ではまだ冬なのに、たなびく霞を見て早くも春になったと詠んでおり、二首目では、ヒバリが舞い上がる春に、はっきりなったので、都は霞で覆われているよと詠んでいます。
これらの歌からは、霞がかかっている春の情景を喜ぶ気持ちが感じられます。むしろ、素直な春への思いが詠まれていると言えるでしょう。待ちに待った春の暖かでやわらかな日差しが、厳しい冬を経た人々への救いであった様が思い浮かびます。

しかし、他にも家持の歌には、「朝開(あさけ)の霞 見れば悲しも」「霞たなびき……椿花咲き うら悲し」「霞たなびき 田鶴が音の 悲しきよひは」などとあります。「春日遅々……」の意図は、心地よくあるべき春に孤独を深め、寂しさに沈んでいる心を歌わずにいられないと解すべきでしょうか。

春愁とも言われますが、家持独自の繊細な感覚が時代を超えて届くように思います。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

平安時代以後の和歌での霞

 

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平安時代以後の和歌での霞の詠まれ方をまとめれば、以下のようになります。

まず『古今集』から霞が春の初めを知らせる自然現象として固定化します。霞は遠くを遮り、花や道などを隠し隔てて、その奥に注目させる役目をはたします。
和歌では霞の色は「浅緑」とされますが、漢語では朝焼けや夕焼けを表し、その影響で紅とも表されます。
時代が下って中世的美意識が広がるにつれて、霞の奥にあるものから、霞そのものの美へと関心は移ります。また、死者を火葬する煙が空に昇って霞になるともされます。それぞれの例は省略して、八代集の中から霞を積極的に評価した歌をいくつかご紹介します。

〈春霞色のちくさに見えつるは たなびく山の花のかげかも〉

こちらは『古今集』の歌で、霞の色が千種(ちくさ)に美しく、それは様々な花の影だろうと詠まれています。霞が花を隠す類型の一首ですが、彩る霞として、霞そのものを美しく描いた和歌としては比較的早い時期の作品となります。

〈山高み都の春を見渡たせば ただひとむらの霞なりけり〉

次は『後拾遺集』の歌で、詞書が「長楽寺にて故郷の霞の心をよみはべりける」とある題詠です。長楽寺があるのは、京都の東山で、現在の円山公園の奥に上った辺りの、繁華な街を見下ろす位置です。ここで故郷に当たるのは都で、都の上を霞が覆っている景色を離れて見下ろした眺望を詠んでいます。

〈山桜にほふあたりの春霞 風をばよそに立ち隔てなん〉

〈大空は梅のにほひに霞みつつ くもりも果てぬ春の夜の月〉

この二首も霞が花を隠す類型です。一首目は『千載集』にある桜の題詠で、「にほひ」は鮮やかな花の美しさを表します。山桜が美しく咲き誇っているあたりを包んでいる霞は、花を散らす風を遮ってほしいと、霞の価値を認めようとしています。
二首目は『新古今集』の歌で、作者は藤原定家です。全体が梅の香が匂う霞に込められていますが、その奥に春の朧月を配した、濃厚な味わいの一首です。

〈なごの海の霞のまより眺むれば 入る日を洗ふ沖つ白波〉

〈暮れて行く春の湊はしらねども 霞に落つる宇治の柴船〉

この二首は『新古今集』の歌ですが、ともに水辺の霞です。一首目の「なごの海」は、大阪市住吉区の海岸辺りとされます。霞を通して見た先に、夕日がちょうど海に沈んで行き、あたかも立つ白波が夕日を洗っているように見えると詠んでいます。海面へと落ちて行く霞に滲んだ赤い夕日に白波がかかるダイナミックな情景です。
二首目は宇治川が舞台で、季節が晩春へと進んで、その行き着く先はわからないが、柴積み船が霞の中に落ちるように消えていったよ、というものです。柴船が霞の中に幻のように徐々に消えていくことを春の去る象徴と見ています。

最後に同じ『新古今集』から、藤原家隆の歌を挙げます。

〈見わたせば霞のうちもかすみけり 煙たなびく塩釜の浦〉

「塩釜の浦」は宮城県塩釜市です。塩釜という地名は、海水を海藻に繰り返しかけて塩分を付着させ、その海藻を燃やした灰を海水に入れて漉し、その後焚いて水分を蒸発させて残った塩を採るという、古代の製塩作業での大きな釜に由来します。
歌に詠まれている煙は、藻を燃やし、水分を蒸発させるために焚いた時の煙です。春の霞に製塩の煙が重なったことが、「霞のうちもかすみけり」です。霞の情景をもっとも強調した和歌と言えるように思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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多くの和歌で春の到来とともに詠まれてきた霞は、現代の気象用語とはされていないそうです。霧と靄(もや)は水滴になった水蒸気が浮遊して、視程は霧が1km未満、靄が1km以上10km未満と決められているのに、霞は単に水滴にチリや煙が混じったものとのことです。
それはともかく、立春を過ぎ、霞のかかった空が春らしく暖かくなるにつれて、縮こまっていた心も体も活発に活動を開始します。人も自然の一部だと実感する時かもしれません。一方、大伴家持のように悲しみとまでとはいかなくとも、ヒバリが舞い、鶯が鳴くのに、ふとしたはずみに曇る心も人ならではのもの。
春の愁いも春の喜びも、等しく味わい深いものです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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