ダッフルコートとピーコートは、どちらも冬場に大活躍するアウターとして親しまれていますが、双方の違いがわからないという方も多いでしょう。そこで今回は、ダッフルコートとピーコートの違いを知るために、それぞれの定義と特徴をまとめました。好みに合わせた選び方のポイントもご紹介していますので、どちらを購入しようか迷っている方はぜひ参考にしてください。
ダッフルコートの定義と特徴
ダッフルコートの「ダッフル」は、英語で「Duffel」と記述しますが、もとはオランダ語でベルギーにある街「デュフェル」を意味しています。
エビ漁で有名なベルギーですが、寒さの厳しい北欧の地での漁業はつらく、過酷な仕事です。そんな漁師の仕事着として、目の粗いウール繊維で作られた厚手の服がダッフルコートです。保温性の高いウールを使用したダッフルコートは、防寒性が非常に高く、のちにイギリス海軍の防寒用コートにも採用された経歴を持っています。
■ダッフルコート最大の特徴は「トグル」
ダッフルコートの一番の特徴は、コートの前をとじるときに使用する「トグル」です。トグルとはかぎ爪のような形をしたボタンのことで、輪っかにした紐の中に通して留める仕組みになっています。
もともとは、漁師が手袋をしたままでも留め外ししやすいようにと設計されたボタンです。今では実用性だけでなく、ダッフルコートならではのおしゃれポイントとして人気を集めています。着丈はロング・ミドル・ショートなどさまざまですが、いずれもフード付きで、カジュアルな雰囲気を醸し出しています。
ピーコートの定義と特徴
ピーコートの名前の由来は、オランダ語で「ラシャ(毛織物)の上着」という意味をもつ「pij jekker」です。日本語では「Pコート」、英語では「pea coat」と記述しますが、海外では「ピージャケット」と呼ばれることもあります。ダッフルコート同様、ウールなど保温性の高い生地を使ったものが多く、厚手で防寒性に長けているところが特徴です。もとはイギリス海軍が艦上で着用していた軍服ですが、のちにファッションアイテムとして流通し、現在に至ります。
■海軍ならではの特色が見え隠れするコート
ピーコートの特徴は、リーファーカラーと呼ばれる幅広のダブル襟と、二列になった6つボタン、縦にスリットが入ったマフポケット、そして錨マークの大きいボタンです。リーファーカラーは左右でボタンのかけ方を切り替えられる特徴的なスタイルで、風向きに合わせてボタンを掛け替えれば、風の侵入を防ぐことができます。
マフポケットは両側から手を入れて温められる構造になっており、寒風吹きすさぶ艦上でも寒さをしのげるデザインが採用されています。フードはついていませんが、そのぶん、幅広の襟を立てることで首元をカバーすることが可能です。
着丈は腰までのショートが主流ですが、近年はミドル丈やロング丈のピーコートも流通しています。ダッフルコートとピーコートは、どちらもウール製のコートで、海軍の防寒コートに採用されていたという点は共通していますが、デザインや造りに大きな違いがあることが伺えます。
好みに合わせた選び方のポイント
冬のアウターとして、ダッフルコートとピーコートのどちらを選ぶか迷ったら、以下のポイントをチェックしましょう。
■カジュアルで優しい印象を出したいのならダッフルコートがおすすめ
特徴的なトグルボタンとフードがついたダッフルコートは、全体的にカジュアルで、かわいらしい印象を与えます。暖色系を選ぶと、さらに柔らかさが増すので、ガーリーなファッションが好きという方にぴったりのアイテムです。シックな装いや、きれいめコーデの崩しアイテムとして活用する方も多いようです。
■大人っぽいコーディネートが好みならピーコートがおすすめ
フードがなく、全体的にシンプルなデザインのピーコートは、すっきりとしたシルエットに仕上がるところが特徴です。パーカーやジーンズといったカジュアルなアイテムも、ピーコートを羽織ればぐっと落ち着いた雰囲気になり、大人っぽさを演出できます。よりエレガントに仕上げたい時は、黒やグレーのロング丈ピーコートを羽織るのがおすすめです。
ダッフルコートとピーコートは、どちらも寒い冬に活躍するあったかアイテム!
寒くなってきたら、自分の好みやその日のコーディネートに合わせて、ダッフルコートorピーコートに切り替えてみましょう。
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